-------------------------------------------
沢田恵一役:鈴木達央様(以下、鈴木)
美三郎役:鳥海浩輔様(以下、鳥海)
-------------------------------------------
―――収録のご感想をお願いいたします。
鳥海:前作からもう3年も経っているのかという驚きと、そのぐらい経つよなという両方の思いがあります。小樽篇の高校生時代を演じて、話のテーマとしてもみいくん的にも重めな話で、「いとしの猫っ毛」は、ふわっとした二人の幸せそうな平和なイメージだったので、最初、こんな重かったっけ?と思いました。ですが、演じていく中で、今まであまり描かれていなかった部分でも、みいくんはこんな感じだったなぁと違和感なく演じることができました。
鈴木:前回5年ぶりに2巻を演じさせて頂いた直後に、小樽篇と3巻を自分で買って続きを読んでいたので、今回お話頂いて「キタ!!!」と言ってしまいました(笑)。以前読んだときに、今まで知らなかったこんな過去があるんだなーと思ったのを、改めて原作を読み直してお話を再確認しながら、自分が演じる時にはどうやろうと考えました。1巻目の収録にものすごく時間がかかって迷惑をかけたのがトラウマのように残っていたり、恵ちゃんが自分の中では珍しい役柄だったり、2巻から時間も経っている分こうやりたい!という責任感もあったりと、自分の中のハードルがどんどん高くなっていって大丈夫だろうか…と台本を読みながら禅問答していたのですが、トリさんと一緒にマイク前に立つと自然と前のことを思い出せたので、時間が経っていてもその時に引き戻されるというのがあるんだな、と感じました。
鳥海:1年後とかは結構あるのですが、2年超えるともうないのかな?と思うんですよね。だから、おお?って。
鈴木:なりました!なりました!
鳥海:でも優秀ですよ。1巻の1枚の収録にかかった時間よりも短い時間で、小樽篇と3巻両方録りましたから。二人だというのもありますが、二人合わせたら台本全ページ出てますから。原作は台詞がすごく多いわけではなくて、絵とか空気感で読ませる漫画だと思うので、音声化が難しいと思うんです。台本をチェックしていると、絵だけの部分に台詞を足したりしているけど違和感なく、台本でもこの作品の空気が流れてるなーと。作品の空気感に抗えない、いい意味で支配されているのを感じました。
―――3年ぶりの、みいくんと恵ちゃんの魅力や印象は?
鳥海:みいくんは本編と小樽篇で印象が変わるというか、小樽篇でああいう辛いことがあったからこその恵ちゃんへの執着なんだな、と。恵ちゃんがいないとみいくんは成り立たないので。辛いことが起きた時には必ず一緒にいてくれて、だから、もう一度一緒になったらもう離れられないんだな、というのを感じました。
鈴木:恵ちゃんは、現時点の時間軸よりも天真爛漫というか、自分の行動が先に立つところがあったり、でも対みいくんオンリーでの聡い部分は昔からあるんだなーと、ほっとする感じがしました。でもその聡さも粗削りというか。
鳥海:野生みたいなね。
鈴木:それ言うんだ?!情緒って?!みたいな、学生なりの刺々しさというか丸みがない切り込み方というか…。
鳥海:『粗削りな天才』みたいな。
鈴木:本当にそんな感じが見て取れて。なので、離れていた時に一人ですごく考えたんだろうな、と。作品上では「あれから2年が過ぎて」とすっと流れますが、2年て700日以上の時間を、季節が廻ったり、しんしんと雪が降り積もる小樽にいたら、余計考えることが増える気がして。でも、ちゃんと相手がいる前提で考えていたから、「甘える時はもっと甘えたい」と相手をちゃんと望むようになったのかな、と小樽篇と3巻を読んで思いました。空白の2年が、彼の魅力を作るきっかけになったんじゃないのかな。今は誰とでもフラットに仲良くなろうとしますし、いいところとしての突拍子のなさがないから、器が広い風に見えるけど、それは一人の時間があったからこそなんだろうな、と。一人で考える時は仮定の連続なのでたくさん想像して、だからどんなことにも「そうなんだね」「大丈夫だよ」「すごいね」と素直に言ってあげられるようになったのかなと。ちゃんと相手の気持ちを知ってあげたい、深い部分で手を差し伸べてあげたいという優しいところが彼の魅力だと思います。
鳥海:今回、今までより恵ちゃんが思考してるシーンが多かった気がします。大人になったな、考える子になったな、と。みいくんは多感な時期にあれだけのことを経験しているから強くもあるし、でも東京に出てきて、弱さもあって。強くなきゃいけなかった人だから、弱さを出せる場所を恵ちゃんの日向感に求めているのかな、と。大人にだけ甘えていた狡さのようなものもなくなって、ストレートな人になってきている気がします。
―――小樽篇と3巻で、演じる上で気にかけたり区別されたことはありますか。
鳥海:特に意識しなくても、台本の通りに演じると自然となりました。変に「こうしなければ」というスイッチを切り替えることはありませんでした。
鈴木:小樽篇の方が難しかったですね、そういう意味では。
鳥海:うん。
鈴木:時が逆行しているし、前回をなぞるとしても同じにはなっていないし。
鳥海:逆算はしてないですね。しないようにしてます。「こうなるからこう」というのは見えちゃいけないので。
鈴木:だから3巻で時間が戻ったとき、お互いほっとするみたいな(笑)。
鳥海:小樽篇より、もうちょっと考えなくても大丈夫(笑)。
鈴木:こうだったよね、前回もこういう雰囲気だった!というようなところに戻っていける。
鳥海:周りのキャラクター含めての楽しい感じがね。


